Story

turbanへの想いとturbanのはじまり

小さな頃に母とお別れをしてから、父がお手入れが出来ない事もあり、
長かった髪の毛を刈り上げにされ…(大泣きした事を今でも覚えている)
それからは、成長と共に髪の毛の強い癖が出てきて、
如何にもこうにも、髪の毛が収まらず…
とにかく自分の髪の毛が大っ嫌いだった。
それもあって、鏡が大嫌いでとにかく鏡をちゃんと見たことは無かった。

頭に何かを巻くことを覚えたのは小学1年生の頃。
クラスの女の子はみんな髪の毛がサラサラでツヤツヤで
お母さんに毎日可愛く三つ編みや編み込みをしてもらっていて…。
私からしたらみんなが羨ましくて仕方なかった。
雨が降ると髪の毛が湿気で広がるからと学校には行きたくない。
大好きだった男の子に会いたいけど、こんなんじゃ会えない…って
泣いて学校をお休みしたいと、お願いしていた。
夜はニット帽を被って髪の毛を押さえ込んで寝ていた。

そんなある日、母の遺した何枚かのスカーフを
いつものように触ったり巻いたりしていた時の事、
ふと頭に巻いたその瞬間、自分がどこかのお姫様になったかのように…
あれだけ嫌だった鏡の前から離れずに、
ずっといろんな巻き方をして夢中になっていたのを今でも覚えています。
それから私はスカーフを巻いて元気に学校に登校し、
クラスの人気者にまでなれました笑…
よく当時の担任の先生が許してくれたものですね…
(思いを理解してくれた先生ありがとう…)

幼い頃に勇気を与えて可愛く包み込んでくれた。母の残したスカーフ。
それから私とスカーフとターバンの人生が始まりました。

ターバンを作るきっかけとなったのは、5年前に受けた健康診断。
約1ヶ月後に突然病院から電話がきました。
"血液中の数値がよくなく、癌の可能性があります。
今すぐに病院に来れますか?"
一語一句は覚えていません。がこのような電話でした。
すぐに父と病院へ向かいました。 
先生からは"膵臓癌の疑いがある" との事でした。
その瞬間、私は父の顔を見れませんでした。

実は私の母は36歳の時に膵臓癌で他界しています。
今の私と同じ歳で、発見から約1ヶ月で…この世を去りました。
最愛の妻を亡くした父は、私のことを常に、
"お母さんのようにはしたくない"その一心で、
全身全力で大切に育ててきてくれました。
それなのに、同じ病気になってしまうなんて、なんて親不孝ものなんだ。
と、その時父の顔が怖くて申し訳なくて、見れなかった事。

父への申し訳ない想いと、
側で共に頑張っているスタッフへの思い。
友達や、お店、お客様の事…
精密検査の結果が出るまで5日間。

この5日間の事を思い出すと今でも涙が溢れます。

つい数時間前まで見えていた世界と180度変わって見えました。
生きたい。死にたくない。
もっと大好きなアクセサリーを作りたい。
いつか子供も産んでみたい…

1日だけ全力で泣かせて欲しいと
当時付き合っていた今の主人に甘え、その夜は全力で泣きました。

次の日からは、もしもの事を考えて沢山の事を調べました。

治療に向き合うために心の準備をしました。
ネットの検索履歴は今まで調べたことのないワードでいっぱいでした。
その時の私はネガティブな事しか目に付かず、
さらに気持ちがとても落ち込み恐怖になった事を
いまでも鮮明に覚えています。
人生で1番長い5日間。

色々な整理と気持ちの整理をし検査結果を聞きに病院へ行きました。
結果は、膵臓に4ミリほどの腫瘍はありましたが、
”悪性ではない”との事。
それから、セカンドオピニオンも選択し、沢山の精密検査を重ね、
今現在は3ヶ月に1度しっかりとした検査、検診をして向き合っております。

その事がなぜこのターバンの製作と結びついたのか、
この期間に私が今後の自分と向き合った時に感じた想いでした。

治療に向き合うにあたって選択によっては、もしかしたら、
"髪の毛が無くなってしまうかも知れない"
"今まで通りお店には立てなくなってしまうかもしれない"
もちろんそんな事は命が助かるなら小さな事なのかも知れませんが、
この仕事をしている以上そして 人一倍自分にコンプレックがある
私にとってはとても大きい事でした。
当時私の母も髪が抜け落ちてしまい美容師だった事もあり、
とてもショックを受けていたんだよ。と父から聞いた事を覚えています。
母の姿を見て幼なかった私は、その母の姿が怖くて、
大泣きし、近寄らなかったと聞いています。
その時母がどれだけ悲しい顔をしていたのかを想像すると
今でも泣けてきます…ごめんね。

最後に、背中を押してくれたのが私の友人の存在でした。
今現在彼女は闘っています。
彼女はいつも可愛い帽子やターバンを巻いています。
お守りでと、rippmonster®︎のアクセサリーを
付けていてくれています。
髪の毛が無くなってしまって悲しかったけど、
rippmonsterのアクセサリーをつけると
とても元気になれるよ。
私のターバン姿もいつも褒めてくれます。

自分自身の経験とその時に思った気持ち。
そして、戦っている友人の気持ちを受け、
外見的視覚からくる心への影響
外と心との密接を知りました。

オシャレと心
心とオシャレ
服飾のもつ力を信じて…

そして心の中にずっとある事は
"母に届けるターバン"を目指しています。

見た目のカッコ良さやオシャレの為だけにつけるターバン"
だけを作るのではなくて

"オシャレで可愛い”は当たり前、
付けてくれる人を想い、
心から元気になる
"お守りのようなターバンを作りたい"

現在は、病気を乗り越えた方々から沢山の貴重なアドバイスをいただき、
内側を最高峰のシルクを使用する事、
締め付けがその日の体調で選択できる仕組み。
ワイヤーの強さや、肌に当たる部分の生地感、
ウィッグをつける際に必要な負担のない仕組み。
など試行錯誤し、現在もターバン製作をし続けています。

Designer/mica

rippmonster® turban

What should I wear today?
What will I wear tomorrow?
We want to be able to accompany you and help you feel like the most important person every day of your life. I believe that clothes can be much more than just clothes...in this sense, dressing is an act that goes far beyond the body... Clothes also have the subtle power to make us feel happy and radiant.

Body and spirit are so intimately linked.
In Japan, I've created a beautiful, comfortable and trendy silk turban for women with alopecia or cancer who are coping with hair loss.

My turban is very popular in Japanese hospitals. We are registered as a trademark, and in fact this "accessory" or "Clothing Medicine ® " is considered in Japan as a real "clothing medicine", an integral part of the overall therapeutic management of the healing process. I believe in the power of fashion.

mica